それでも涙が溢れてきた今日の大河ドラマ。
山南さん、切腹。

言い方が悪いけれど、土方さんが新選組のためだけに生きたとしたら、
山南さんは自分のために生きたのかな。
山南さんももちろん悲しいと思うけれど、一番可哀相なのは私は総司だと思う。
結核に苦しめられていることと等しい位、またはそれ以上に、
仲間を(介錯という役とはいえ)自分の手で殺すことは苦しいことに
違いないでしょう。
見逃せと言われた仲間を見つけてしまった時の後悔も、凄まじいものなんだろうな。
それでも、どんなに心に傷を負っても彼とって近藤さんは絶対的な存在だから
苦しいことでも受け入れてしまうんでしょうね。宗教的な信仰のように。

明里さんが、山南さんに二度と会えないということに気付いていても悲しさを堪えて
最後まで何も知らないことを貫き通したことに、山南さんは本当に
救われたんだろうなって思う。あそこでもし明里さんが悲しさを表していたら
きっと山南さんはまた脱走していたでしょうね。明里さんは自分の幸せよりも
山南さんの武士としての心を尊重したんですね。
全然馬鹿な人じゃないです。

新選組に様々な思いを残した山南さんは切腹、十字に切ったんですね。
安っぽい言葉ですが、本当に「武士らしい」死に方で。
私は死ぬことになんの名誉も見出せませんが、それに本人が満足できるなら
それはそれでいいんでしょう。当然ながら自分の人生は自分のものなんだから。
だから、山南さんが選んだ、総長としての新選組での切腹と、土方さんが
選んだ、死ぬまで戦い続けるという道は、「自らが選んだ死」としては
同等の意味があるんでしょうね。2人とも武士であるから。

我慢しきれずに涙を流す土方さんは見ているこっちも辛かった。
きっと自分が追い込んだってことよりも、純粋に仲間の死が悲しかったんでしょう。
自分のことは棚に上げてって感じですが、副長である立場上、情をかけることも
隊士の前で泣くこともできませんからね。
山南さんが切腹する前では、島田を呼んだと口裏を合わせることで山南さんの部屋を
訪れる隊士と、山南さんとの最後の別れを自由にさせるということが
「副長である」土方さんがあの時に唯一出来た山南さんへの行動なんだろうな。

山南さんに言われた通り、永倉、原田の2人には最後まで新選組と運命を
共にして欲しかった。せめて近藤さんの最期までは見届けて欲しかったけれど。

隊士の心それぞれにそれぞれの傷を残して逝った山南さん。
そんな意味のある役を演じた堺雅人さん、本当にお疲れ様でした。

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