『侏儒の言葉』芥川 竜之介(岩波文庫) ’05 5/2

評価;A

漫画『WILD ADAPTER』(峰倉かずや)にこの本から文章が引用されてるため
ちょっと興味を持って読んでみました。

一つのテーマを決め、それについての著者の思想を短く綴った箴言集です。
シニカルでありながらユーモアもあり、何より晩年に書かれた
ということもあって、作者のこの後たどる人生が垣間見える
ような気もします。
しかし、私たちは実際著者が一生を知っているが故、
どこか怖くも感じます。
他人の思想を受け入れる時には、自分の思想を全く無くした上で
その思想を受け入れるというのが、私の他人の思想を理解する時の
方法ですが、そのため例えばイライラしてる時とか、何もすることがなく
暇な時とかには、いい意味で自分を無くすことが出来るため、
かなりおすすめな本です。

私としては、「批評学」(P.48)から「広告」(P.58)〜
「再追加広告」(P.59)までの流れが、皮肉たーっぷりで結構好きな感じ。
もうあそこまで言っちゃってたらむしろ爽快かも。

あと、「宿命」(P.87)も割と好き。
「宿命は後悔の子かも知れない。――あるいは後悔は宿命の子かも知れない。」
たったこれだけで宿命を語ってしまうなんて。

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