『刺青殺人事件』高木 彬光(光文社文庫) ’05 7/15

評価;A

大学の授業の定期試験で、「推理小説を1冊読んでその本の
紹介文を書け」っていうテスト(?)のために読んだ本です。
なので、その試験で書く予定の原稿をそのまま載せておきます。
(っていうか、要は手抜き。笑)

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 表題通り「刺青」を主なテーマとするこの推理小説は、日本の本格推理の歴史を造りあげた第一人者として有名は高木彬光の処女作である。
 物語は東京大学医学部本館標本室に置かれたある女の刺青のトルソを入り口として開けていく。このトルソが現在の場所へ置かれる要因となった事件が、この「刺青殺人事件」と銘打たれた殺人事件なのである。
 小説の舞台は戦後すぐの東京。主人公の松下研三は、刺青を彫った人々が集うという「刺青競艶会」へ出席した時、背中に大蛇丸の刺青を持つ女、野村絹枝に出会う。後日研三は絹枝から、彼女の兄と、彼女と、そして彼女の双子の妹の背中の刺青を撮影した写真を渡されるが、その数日後、絹枝は自宅の風呂場で何者かに殺害される。彼女は、首、腕、足だけを残し、胴体だけが持ち去られているという凄惨を極めた死体として発見されるのだ。しかも、彼女が発見された浴室は、扉や窓に鍵がかけられた完全な密室であった。これが第一の事件である。
 第二の事件は、彼女の夫、最上竹蔵が蔵で頭を打ち抜いた死体として発見されたものだ。警察内でも、彼は絹枝を殺し、罪の意識に耐えかね自殺したのではないかという見解を持つ者もいる一方、自殺ならば何故その場所で死ななければならなかったのかと疑問を持つ者もいた。
 研三は兄である警視庁捜査一課長の英一郎と共に、事件の捜査を進めるが、あまり良い進展は得られないまま二ヶ月が経過する。だがその頃、研三は、戦争中に行方不明になったとされていた絹枝の兄、野村常太郎との接触に成功した。研三が、生前絹枝に渡された例の刺青の写真を見せたところ、常太郎には何か思うところがあったらしく、何日かの猶予をもらい、真実を確かめに行くと言って、独自で調査を開始する。しかし、彼が再び研三に会う前に、彼は背中の地雷也の刺青を剥がれた死体として発見される。これが第三の事件である。
 第一の事件の時に絹枝宅を訪れた、刺青マニアの早川平四郎博士、最上竹蔵の部下の稲沢義雄、絹枝の元情夫の臼井良吉、そして竹蔵の弟の久を容疑者として捜査は進み、次第に、原爆で死んだとされたいた、絹枝の双子の妹、珠枝の存在も事件に重要なものとして現れてくる。
 以上がこの本のあらすじである。

 この本で興味深いのは、日本家屋で密室殺人を行った点である。元来日本の家屋は、例えば天井裏や床下で自由に移動が出来るものなのだ。その日本の家屋の中で、唯一完全な密室を作ることが出来るのは、タイルで張り巡らされた浴室だけなのである。しかもこの第一の事件では隣家の二階から、絹枝の家の人の出入りを見ていた者があり、犯行が行われたと考えられている時間帯は完全に監視の目があったのだ。もちろん犯人らしき人物は目撃されていない。つまり、第一の事件は、第一に浴室、そして第二に家全体という、二重の密室を伴った殺人事件だったのである。ここに機械的トリックが存在する。また、事件全体としては「全てを真実だと思い込ませる」という心理的トリックも作用しており、ここでは二重のトリックが用いられているということになる。

 研三は生前の絹枝と接触し、しかも死体の第一発見者として事件の証人になり、また探求者ともなる。いわゆる巻き込まれ型の典型であろう。研三が推理に行き詰まった時に現れるのが、名探偵・神津恭介であり、実質的に探求者の立場は神津へ譲渡されたということになる。小説の中の一時点を切り取ってみても、探求者は、研三か、神津か、どちらか一方しか存在しないことになるだろう。

 「推理小説における『謎』とは、作者が読者に仕掛けたものである」と言われるが、作者はこの作品に、「読者諸君、私はいま諸君に対して挑戦する」という「私が作ったこの謎をあなたは解くことが出来るか」的な挑戦文を挿入している。まさに、上記の「作者が読者に仕掛けたもの」という言葉を具現化した作品とも言えよう。

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ていうのを書くつもりです。
下書きを見ながら打っていたら、自分でも意味のわからない表現とか、
不思議な言い回しがあって、自分の書いた文章に「はぁ?」と
疑問符を浮かべていました。(笑)
てか物語の階級性とかわからないし・・・。

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