『こころ』夏目 漱石(新潮文庫) ’05 9/23

評価;A

夜中「暇だなぁ」と思って本棚を探してみたら、
この本があったので読んでみました。
中3の時に最後の遺書の部分だけ授業で習ったから
知ってたのですが、最初から全て読んだのは初めて。
でも、ラストを知ってるから完璧「ネタバレ」されて読んだのと
変わりなかったですけどねー・・・。

さてさて、ご存じの方も多いと思いますが、一応あらすじを。

大学生の「私」は鎌倉へ避暑に来ていた時に、ある人物に出会う。
それが「先生」である。定職も持たない先生ではあるが、私は
その人間性に強く惹かれる。
私は先生が仄めかす先生の過去に強い興味を持つ。
しかし、先生がそのことについて明確に語ることがないまま、
私は父が病気のため実家に帰らなければならなくなる。

「現在」の話としてはそんな感じですけど、これは先生の過去まで
語っていいものかどうか。うーん、まぁ、皆さん学校で
習っておられるということにしておいて、割愛させて頂きます。

話の内容を深く考えたくなる小説です。
だから、今日までノートに簡単な人物相関図を書いたり、
疑問点、明らかにすべき箇所などを挙げていったりしたのですが、
なかなかそれらの答えを探す時間がなくて、じっくりと考えられて
ないのですが、いつか絶対“自分の力で”その答えを予想したいと思います。

とりあえず、私が作ったそのノートの一部公開。

《整理しておくべき箇所》
  現在
   ・私と先生との関係
   ・私は先生に傾倒した理由
   ・私と先生の妻との関係
   ・先生と妻の関係
   ・Kの影響力
   ・先生が自殺した理由
   ・先生にとっての乃木将軍の存在
   ・先生が私に手紙を書いた理由
  過去
   ・先生とKとの関係
   ・先生と御嬢さんとの関係
   ・先生と奥さんとの関係
   ・Kと御嬢さんとの関係
   ・Kと奥さんとの関係
   ・御嬢さんが先生の顔を見て笑った理由
   ・御嬢さんが先生を「変な人」だと言った理由
   ・奥さんが御嬢さんに向ける咎めるような視線
   ・Kが使う「精進」の真の意味
   ・Kが自殺した理由
   ・Kが襖を開けて自殺した理由
   ・先生が裏切ったことをKが咎めなかった理由
   ・御嬢さんが本当に好きだった人

私の見解としては、Kは自分の存在を先生に植え付けるために
自殺したのではないか、ということ。
もしくは、自分と同じように後を追うことを期待したからではないかと思う。
私にはKがはたして本当に御嬢さんのことを想っていたのかどうか
ちょっと疑問なんですよね。
つまり、Kが想っていたのは御嬢さんではなく・・・。
でもこの考え方の場合、こんな関係の小説を、あの時代、あの文豪が
書くかどうか。・・・極めて可能性は少ないですよね・・・。
ただ、深深深読みをしたら、そんな結論に至ってしまいました。
上の疑問点なども含め、もうちょっと考えてみます。

またまた登場人物の容姿を実在の人物に当てはめてみようとして、
今回は最初何ページか読んで、
私→慎吾くん
先生→中居さん
K→木村さん
で考えてたのですが、奥さん(先生の妻)の名前が出てきた時に
私はびっくりした。
「静」って・・・!!(読み方は「しず」だけど)
なんかちょっとショックを受けて、
「じゃあ、先生が木村さんか・・・?」とも思ったのですが、
明らかにそれはおかしいし。
だから元に戻して先生→中居さん、K→木村さんで行きました。
っていっても、過去のあたりでもうそのイメージも薄れて
来ましたけどねー。
私の場合、小説読んで顔ってあまりイメージしないので・・・。
(だからこそ、その登場人物たちのために、見知った顔を当てはめて
みたりもする。・・・自分で想像できるほど想像力に富んでいないから)

とにかくとても良い印象が残った本です。
あ、上の明確にすべき箇所に、
自分の父親のことさえほっぽりだして、先生の元(正確には先生の妻の元)に
駆けつけた「私」のことを足しておかないと。「その後の私」も。

記念すべき春からの読んだ本統計50冊目に文学作品が来て良かった。
あ、一応50冊目なので、途中から読まれた方のために、
私が書いている読書記録のご説明を。(どうでもいいですけどね)

 『作品名』著者(出版社) 読了日
 評価;A〜E(良〜悪)
 あらすじや感想

で書いてます。
主に小説を読みますが、気になったものを自由に読んでますから、
教科書に載ってるような文学作品も読みますし、
興味がひかれる内容なら果てはBLだって読みます。(笑)

でも恋愛小説はあまり得意じゃなかったりします。
青春小説がかなり好きです。
ギャグもいいけれど、感動して涙を流せる作品が好み。
友情ものであるのを期待して男2人が主人公の本を読んでみるけれど、
そんなものはほとんどがミステリーの内容なので、
特にミステリー好きじゃないけれども読んだ本が
ミステリー関係が多くなるのが最近のちょっとした悩み。(笑)

そんな感じの私が読んだ本たちの記録です。
自己紹介欄にある「HOME」から私が借りてるブクログに飛べます。
今まで読んだ本の一覧はそちらでどうぞ。

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