『行ってみたいな、童話(よそ)の国』長野 まゆみ(河出書房新社) ’05 10/13

評価;B

なんかイケナイものを読んでしまったような気がします・・・。
というか、本当に“よそ”に行ってしまったような・・・。

童話として有名な「ハンメルンの笛吹き」「ピノッキオ」「にんじん」を
著者の想像と官能と残酷さを加えて新しい“童話”として書かれています。

なんというか、すごい。
この童話がこうなるんだな、という意外性と、あくまで“童話”として
書かれている心意気に評価Bで。

「ハンメルンの笛吹き」
周りの人間から性的虐待を受けている少年・セスを助けるという名目で、
鼠のブランケット王は部下の黒鼠を引き連れて村を襲う話。
セスが非常に哀れです。愛を知らないのね・・・。

「ピノッキオ」
ジュゼッペ爺さんにより作られた人形のピノは、木であった時
飲み慣れていた樹液を求めてあちこちをさすらう話。
一番エロいのはこの話ではないかと思う。
“足のあいだにある突起”なるものがいっぱい出てきます・・・。

「にんじん」
親兄弟にいじめられている少年・にんじんが、“愛”を見付ける話。
黒い。にんじん黒い。どす黒いよ、この子。
例えば、自分のお兄さんを気絶させて、その間に使用人にレイプさせたり、
男にレイプされて放心している少年を誘って、
“愛しているから”と殺そうとしたり。・・・・・怖い・・・。

どことなく怖くて寒気がするような3作品です。
でも一つ一つの作品にちゃんと意味も込められてますから、
別にミーハー小説のような阿呆らしいものではありません。
だからまぁ、満足したといえば満足したのですが、
何分初めて出会うジャンルの小説だったために
ちょーっと戸惑ってしまいました。(笑)

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