『風に桜の舞う道で』竹内 真(中央公論新社) ’05 10/14

評価;A

1990年、アキラは一浪生のための予備校の寮・桜花寮に入り、
大学受験に向けて共に勉強し、共にこれからの1年を
過ごすことになるヨージやリュータなど、9人の寮生たちに出会う。
その十年後、当時の寮生たちの間で広がった噂というのは、
「リュータが死んだ」というものだった。
アキラたち旧寮生は互いに連絡を取り合いつつ、真相を探っていく。

「青春小説」を探していて見付けた本です。
1990年と2000年をそれぞれ1年間交互に書いていくので、
飽きることなく読み進められます。

私も大学受験というのは去年経験したことだし、自分の好きな学科で選ぶか、
入りやすい学科で選ぶか、学校の名前で選ぶか、など、いろいろ
先生とも話し合った覚えがあるので、「懐かしい」というよりは
「自分が経験した身近なこと」のように感じながら読んでいました。
他の登場人物の行動でも、「あぁ、この気持ちはよくわかるな」って。

けれど、私の場合、今現在の年齢が彼らの1990年時の年齢ですから、
自分に当てはめてみると、「青春」というのが
まだよくわからないということに気付きました。
もしかしたら、この本はもうちょっとしてから
読むべきだったのかもしれません。
でもやっぱり、10年経ってそれぞれ違う道を歩んでいても、
青春を共に過ごし、お互いを支え合った仲間と
繋がりあうことができるということはとても素晴らしいことだと思います。
永遠に続く絆。
それこそ「青春」で得られる最も価値あるものですよね。

ちなみに私が考えるこの小説のイメージソングはスピッツの「チェリー」。
ぴったりだと思います。読み終わってからリピートしまくってしまいました。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索