『僕らの事情。』デイヴィッド・ヒル著 田中亜希子訳(求龍堂) ’05 11/12

評価;B

サイモンは筋ジストロフィーといういずれは死に至る病を
抱えつつ、明るくユーモア溢れる性格でクラスの人気者。
普段は病気のことなど感じさせないが、それでも着実に
弱っていくサイモンを見て、親友ネイサンは心を痛ませる。

・・・なんかあらすじの説明が非常に難しい。
簡単に言ってしまえば、
「ネイサンから見た死に至るまでのサイモン」かなぁ?
でも、ネイサン自身もサイモンの病気だけではなくて、
クラスの女の子への恋や、父と母の離婚問題とか、
悩み事がたくさんあるんですよ。

15歳の少年2人が、本当に「15歳の少年2人」らしく描かれています。
やっぱりこれは作者が男性だからかな。
だから、いい意味で淡泊というか。
例えば、こういう友人が死ぬ運命にあるという小説でありがちな、
「あいつじゃなくて俺が病気にかかれば良かったのに!」
という叫びの場面もないし、
サイモンが死んだ時も、ネイサンは泣き喚いてはいない。
この辺りはすごく「あぁ、現実の“15歳”っぽいな」と思いました。
だからこそこんなにも感情移入ができたのかも。

小説自体もあらゆる場所(というか全部)にユーモアが織り交ぜてあり、
“重すぎない”本でした。

電車の中でラストの辺りを読んでいて、マジで涙しそうになりました。
慌てて閉じて、学校の教室についてから友達に
「サイモンが死んだーっ!!(泣)」って言ったら、
一瞬私の顔見てから視線をそらして普通に無視されました。(笑)

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