『仮面の告白』三島 由紀夫(新潮文庫) ’05 11/28

評価;B

9月下旬から読み始めて2か月経ってやっと読み終わりました。
きっかけは、本屋で立ち読みした本を紹介する雑誌で、
「『仮面の告白』と『夏の約束』(藤野千夜)は、どちらが優れているか」
という座談会を読んだことです。メモ代わりにケータイに打ち込んで
後日読んでみました。
『夏の約束』は読み終わったので(感想は’05 10/4の日記参照)、
『仮面の告白』も古本屋で購入したはいいものの、
いざ開いてみると、文章がめちゃくちゃ難しい・・・!
今まで三島由紀夫の作品は読んだことがなかったので、
こんなに難しい文章なんだ、とびっくりしました。
難しい、というか、装飾的なんですよね。
擬人的であり、比喩的であり、抽象的であり。
独特の文章が綺麗と思えるか、うっとうしいと思えるのかは
たぶん個人個人違うと思う。
私の場合はこういう文章が割と好きなので、とても綺麗だと思いましたが。

さて内容はというと。
なんかネタバレというか、結論を言っちゃってるようなのですが、
本の後ろに書かれている説明書きを引用すると、
「女性に対して不能であることを発見した青年が、幼年時代からの
自分の姿を丹念に追究するという設定のもとに、近代の宿命の象徴としての
“否定に呪われたナルシシズム”を開示してみせた」作品です。
三島由紀夫の半自伝的な作品ですね。
(といっても、著者はゲイではあるけれども不能ではない。
後に結婚して子供持ってるし。書かれた当時は知らないけどね。)

最後の文章を読み終わって感じたのは、「あぁ、ここからこの人の
人生(物語)が始まるんだな」ってこと。
終わりと同時に始まりってのも変な感じがしますが、でも本当に
そう思ったんです。
違う見方をすれば、「泥沼にはまった」という感じかな。
ん?「はまりきった」かな。

結構ショッキングな内容でもあり、それでも読み応えのある作品でした。
過去に一度『午後の曳航』に挑戦しようとしようとして、開きもしないで
図書館に返しちゃったんですよね。高校の時からずっと読みたいと
思い続けてるんですけど、なんか気分が乗らないんです。(笑)
そのうち気が向けば挑戦するかも?(可能性は低い)

そういえば、この間スマステで三島由紀夫特集やってましたよね。
あんまりちゃんと見てなかったけれど。
『金閣寺』が読みたいと思いました。

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