メメント・モーリ―死を想え
2006年6月5日三人の貴族の青年が三人の死者にあった。
死者は、かつて自分たちが栄華を極めたことを語った。
そして青年たちに「死を想え(メメント・モーリ)」と伝えた。
栄光も美もいつか尽きる。
死はすべての人に訪れると。
――――――――――――――――――――中世ヨーロッパの伝承譚より
死者は、かつて自分たちが栄華を極めたことを語った。
そして青年たちに「死を想え(メメント・モーリ)」と伝えた。
栄光も美もいつか尽きる。
死はすべての人に訪れると。
――――――――――――――――――――中世ヨーロッパの伝承譚より
見えるものだけが、すべてではなく、
見えるものだけが、真実ではない。
いいものがすべて、いいわけでなく、
悪いものすべて、悪いわけでない。
強いものが、弱いときがあり、
弱いものが、強いときがある。
生まれた場所が、永遠の場所ではない。
生まれついたものが、永遠のものではない。
変わらないものも、変えられないものもない。
得るものもあれば、失うものもある。
ただ、誰の上にも等しく訪れる死のとき、
先に行く者に、恥ずかしくないように、
生き残った私は、前に進もう。
メメント・モーリ、
死を想え。
メメント・モーリ、
死に立ち向かえ。
メメント・モーリ、
死を想えば、生が見え、
生を想えば、死が見える。
メメント・モーリ、
死を想えば、
誰のせいでも、誰のものでもない、
自分の生がそこにある。
メメント・モーリ、
振り返ることより、今を生き残ろう。
また出会うときのために。
(『メメント・モーリ』おのりえん(評論社)より引用)
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