22冊目『風が強く吹いている』
2007年12月3日 読書
『風が強く吹いている』三浦 しをん(新潮社) ’07 8/4
評価;A
箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。(Amazon)
あるアパートに下宿する大学生10人(駅伝素人含み)が、箱根駅伝に挑む話。
いやぁ、面白い!
盛り上がり部分もさることながら、表紙からすでに面白い。
「黒人が速いというのは偏見です」て。(笑)
一つのスポーツに打ち込み、それに振り回され、一喜一憂しながら、その最終的な形を探す、という点では、私は読んだことはないので断言できませんが他のスポコン作品に似ているかもしれませんし、私の読んだ本の中では『バッテリー』(あさのあつこ)によく似てます。
『バッテリー』の主人公・巧は野球で「投げる」ということに、『風が強く吹いている』の主人公・走は長距離を「走る」ということに、それぞれ囚われています。
囚われすぎているからすごく極端な見方しかできていなくて、最高の結果(勝敗や一位など)が全てだという考え方だった。けれど、周りの人との交流を通して、主人公は自分が考えていた「頂点」以外の「頂点」を見つける。それは、スコアとは関係があるようでもないようでもあるけれど、それだけでないことは確か。
小説で描かれる「天才」とは得てしてそんなものです。
巧に比べて、年齢の差だろうか、走は本当に素直な子です。
私が好きなキャラの順番に(←ここ重要)、簡潔に登場人物を説明します。(学年の後ろに「?」が付いているものは、自信がないものです)
神童・・・3年。ムサと仲が良い。いい人。
ムサ・・・2年?日本に勉強に来ている黒人の留学生。模範的な美しい日本語を話す。神童と仲が良い。
走・・・大学1年。走ることの天才。高校時代に傷がある。
ハイジ・・・4年。10人で箱根駅伝に行くとを言い出した人。みんなのお母さん敵存在で、頼りになる人。でも絶対腹黒い。
ユキ・・・4年。頭脳派。メガネ。
ジョータ・・・1年。双子の片割れ。ムードメーカー的存在。
ジョージ・・・ジョータに同じく。
ニコチャン先輩・・・5年か6年か7年あたり(つまり留年)?煙草が大好きだった。
キング・・・2年か3年?クイズ番組が大好き。
王子・・・2年か3年?マンガオタク。運動が苦手。
とにかく神童とムサが大好きです。ピンでもセットでも好きです。この二人のほのぼのした空気がたまりません。
走とハイジの組み合わせは走が可愛くなるので好きです。
あとの人たちは頑張り屋さんで、コンビとしてよりも個々で好きです。
最初はともかく、最後の方は10人それぞれが目立ちます。
それが全員とてもとても感動的です。ほとんどの人の場面で涙を流しました。
あらすじを見た限り、「ありきたりなストーリーでいい作品が作れるのか?」と思っていましたが、そこはやはりしをんさん。受け入れられやすいだけでなく、感動もできる素晴らしい作品でした。
しをんさんの作品を読むたびに思うのですが、私のツボはしをんさんのツボと非常によく似ているのかもしれない。ツボをぶっすぶっす突かれている感じが毎回しますもの。(笑)
とりあえず、もっと読みます、しをんさんの作品。
そして来年は箱根駅伝を見たいと思います。
あ、この本のラストの大会(や、名前出すのはネタばれになるかなぁと)での私なりのBGMは、SMAPの「Fine,Peace!」でした。爽やかな熱さが両者共通しているのではないかと。
さて、次の本。
次は『月の影 影の海(上) 十二国記』。『十二国記』シリーズ第一巻。
評価;A
箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。(Amazon)
あるアパートに下宿する大学生10人(駅伝素人含み)が、箱根駅伝に挑む話。
いやぁ、面白い!
盛り上がり部分もさることながら、表紙からすでに面白い。
「黒人が速いというのは偏見です」て。(笑)
一つのスポーツに打ち込み、それに振り回され、一喜一憂しながら、その最終的な形を探す、という点では、私は読んだことはないので断言できませんが他のスポコン作品に似ているかもしれませんし、私の読んだ本の中では『バッテリー』(あさのあつこ)によく似てます。
『バッテリー』の主人公・巧は野球で「投げる」ということに、『風が強く吹いている』の主人公・走は長距離を「走る」ということに、それぞれ囚われています。
囚われすぎているからすごく極端な見方しかできていなくて、最高の結果(勝敗や一位など)が全てだという考え方だった。けれど、周りの人との交流を通して、主人公は自分が考えていた「頂点」以外の「頂点」を見つける。それは、スコアとは関係があるようでもないようでもあるけれど、それだけでないことは確か。
小説で描かれる「天才」とは得てしてそんなものです。
巧に比べて、年齢の差だろうか、走は本当に素直な子です。
私が好きなキャラの順番に(←ここ重要)、簡潔に登場人物を説明します。(学年の後ろに「?」が付いているものは、自信がないものです)
神童・・・3年。ムサと仲が良い。いい人。
ムサ・・・2年?日本に勉強に来ている黒人の留学生。模範的な美しい日本語を話す。神童と仲が良い。
走・・・大学1年。走ることの天才。高校時代に傷がある。
ハイジ・・・4年。10人で箱根駅伝に行くとを言い出した人。みんなのお母さん敵存在で、頼りになる人。でも絶対腹黒い。
ユキ・・・4年。頭脳派。メガネ。
ジョータ・・・1年。双子の片割れ。ムードメーカー的存在。
ジョージ・・・ジョータに同じく。
ニコチャン先輩・・・5年か6年か7年あたり(つまり留年)?煙草が大好きだった。
キング・・・2年か3年?クイズ番組が大好き。
王子・・・2年か3年?マンガオタク。運動が苦手。
とにかく神童とムサが大好きです。ピンでもセットでも好きです。この二人のほのぼのした空気がたまりません。
走とハイジの組み合わせは走が可愛くなるので好きです。
あとの人たちは頑張り屋さんで、コンビとしてよりも個々で好きです。
最初はともかく、最後の方は10人それぞれが目立ちます。
それが全員とてもとても感動的です。ほとんどの人の場面で涙を流しました。
あらすじを見た限り、「ありきたりなストーリーでいい作品が作れるのか?」と思っていましたが、そこはやはりしをんさん。受け入れられやすいだけでなく、感動もできる素晴らしい作品でした。
しをんさんの作品を読むたびに思うのですが、私のツボはしをんさんのツボと非常によく似ているのかもしれない。ツボをぶっすぶっす突かれている感じが毎回しますもの。(笑)
とりあえず、もっと読みます、しをんさんの作品。
そして来年は箱根駅伝を見たいと思います。
あ、この本のラストの大会(や、名前出すのはネタばれになるかなぁと)での私なりのBGMは、SMAPの「Fine,Peace!」でした。爽やかな熱さが両者共通しているのではないかと。
さて、次の本。
次は『月の影 影の海(上) 十二国記』。『十二国記』シリーズ第一巻。
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